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サヤは嬉しそうです。
「ありがとう」
目を輝かせて竜の子供を見ました。
「クー?」
竜の子供は不思議そうに少女の顔を眺めていました。
「なににしよう……」
まるで服を選ぶようなウキウキとした気分です。
「んー?」
サヤは閃きました。手を叩きます。
「ペルーシャなんてどう?」
「ペルーシャ……!」
ウィルはその名前が気に入りました。
「いいよ。ペルーシャで」
「良かった」
サヤはペルーシャを優しく抱き締めます。
ペルーシャは南の砂漠で採掘される宝石です。砂に含まれる稀元素の結晶で、白く透き通り月の光りを透かします。とても希少で、脆く加工が難しいので王族でもなかなか手に入れることができないのです。サヤはその宝石から、生まれたばかり竜の子供に、儚さと命の誕生の美しさをなぞらえてこの名前をつけました。
「よし! お前はペルーシャだ!」
ウィルはサヤの腕からペルーシャを持ち上げました。
「クー!」
竜はとても頭がいいのです。ペルーシャはすぐに自分の名前がペルーシャだとわかりました。
そしてウィルとサヤは微笑み合いました。
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