1話 とある事件よりはじまり、はじまり

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「あー…殺せなかった」 青い空の下、真っ赤な青年が屋根の上に寝っ転がっていた。 「さすがに大人数いるとこでは殺せないしなぁ…困った、困った」 青年のコートの隙間から太陽の光に反射してか鈍い銀色の光がきらりと光る。 「……とりあえず先に殺しやすいのから殺すか」 むくりと起き上がった青年は、今いる屋根の家から出ていった少女を見る。 屋根から玄関の門へと降りた青年は表札を見て、ニンマリ笑った。 「まずはあの子だ」
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