何もない日々

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マンションからコンビニの抜け道、雨の夜。 人通りはほとんどない。 「ゴメン、抱きしめちゃったね。」 ボクは緊張と沈黙に耐えられなかった。 「いえ…。久しぶりに可愛いって言われてうれしかったし……。」 彼女は腕の中で抱きしめられたまま、ボクを見上げて笑顔で言った。 その表情はボクを完全に掴み、理性をぶっ飛ばした。 理性さえなければもう止まらない。 「キスしていい?」 ボクは抱きしめたまま顔を彼女の肩へともって行き耳元で低く小さな声で呟いた。 そして…、彼女の返事よりも早くボクはキスした。 唇が離れる瞬間…。 「もう…。」 今度は彼女が、一言発しながらキスを返してきた。 もう…なんだ?って一瞬思ったが…、そんな事はどうでもよかった。 ボクは彼女の肩を抱いたまますぐ近くにあった愛車の影まで移動した。 万が一、だれか…、人が通っても見えにくい場所。 あいにく、車の鍵はない。 でも…、植木、壁、車、傘、そして雨。 大丈夫だろう。 ボクはふっ切れて一つ冷静になっていた。
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