きみがいなければ ー廉ー

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   *  *  *  * 「啓‥祐……?」 「死‥んじゃうかと思ったんだから……死んじゃったらどうしようって……俺‥っ‥判れよ…廉ちゃんを好きなのは伊織くんだけじゃないんだよ?メンバーみんな、大好きなんだからね。廉ちゃんがいなくなったら……死んじゃったら……大事な人が目の前からいなくなる辛さ、一番良くわかってるだろっ。僕だって廉ちゃんがいるから‥…廉ちゃんがいなきゃ…君がいなきゃ…馬鹿っ!!」 苦しそうに顔を歪め、くるっと啓祐は背中を向けた。 その背中が震えている。 「啓祐……」 しばらくの沈黙と鼻をすする音。 そして急に柔らかい口調で啓祐が小さく呟いた。 「まったくしょうがないよね……こんな人、好きになった自分が悪い。」 自分の怒りに踏ん切りをつけるかのように大きく深呼吸繰り返し、次に振り返ると苦笑しながら額のタオルを交換した。 その目が真っ赤に充血していて。 視線が合った瞬間にバツが悪そうにタオルで俺の視界を覆った。 俺は寄り掛かるだけ寄り掛かって、何にも見えていなかった。 いや、目の前で苦しそうにしていた啓祐を見ようとしなかった。 .
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