崩壊 ー廉ー

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   *  *  *  * プロデューサーを追い掛けて行ったマネージャーが楽屋に戻ってくると、つかつかと目の前に立ち、俺の頬が音を立ててしなった。 「しっかりしなさい!廉!!」 彼女の怒号と頬を伝わった一筋の涙。 叩かれた頬を庇うでも触るでもなく、俺はまるで人形のようにただその場に立っていた。 事の重大さも認識できない程、喪失感に蝕まれて、彼女の叫びに応える事は出来なかった。 .
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