代わりの味を

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 汚れ一つない青空に、それは、嫌に白く退廃的だったから。 「――こっちに、しとけよ」  俺が差し出したそれを見て、彼女は笑う。 「甘いなぁ。うん、アンタらしいよ」 「笑うなよ」 「……ごめん」  そうして彼女は、タバコの煙を漂わせながら、俺の手からそれを受け取る。  似て非なる、シガレットチョコを。
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