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にわとりがいる。
あっちにもこっちにも。
赤い頭のにわとりがすごい声を出して虎王さんを攻撃してる。
「この赤い鶏冠があるのがオス。縄張りに入ってきた俺を威嚇してるんだ。周りはメス。卵があそこにあるから採ってみろ」
「わたしが?」
「何のためについてきたんだ?」
虎王さんがわたしを広い柵の中に入れた。
指差された先の草に白い卵が3つ。
奥の方にも卵がいくつもある。
「わあ、たくさんの卵!」
恐る恐る卵を籠に摘んで虎王さんを見ると不機嫌ながらも少しだけ表情が和らいだ。
虎王さんが卵を入れた籠を持って更にその先に行く。
広い野原に出ると指笛を響かせた。
遠くから何かが走ってくる。
草原の中を走る姿は大きくなり虎王さんの前で荒い息を吐いて止まった。
目の前に走って来たのは見事な栗毛のサラブレッド。
間近で見たことがない馬にびっくりして虎王さんの陰に隠れた。
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