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路がない!
大きな路地を曲がったはずだった。
街の地図は頭の中に入ってたそれなのに。
「新しくビルが建ったんでね…オープンカフェの隣に」
「………」
バイクの集団が追い付いてそのうちのひとりが馬鹿にするように嗤った。
単車の上から次々に降りてくる影。
手には血のついた鉄パイプ。
「鬼ごっこもあっけなかったな。もっと楽しませてくれるのかと思ってたよ。大神」
玲央は闇を睨む。
ブラックエンジェルは親父の代からの因縁の相手だ。
頭を潰してもガキは代替わりをするだけでまた再生する。
「タイマン?バカだな、時代が違うんだよ。誰がそんなまどろっこしいことをするかよ。所詮、力があれば何でもできるんだってことだ。やれ」
闇色のライダースーツ。
胸には金のバッジ。
黒メットを外すと、幹部…こいつは副総長だったか。
顎で殺れと言い放ち、ふたつの影がバイクを降りた。
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