龍琉の恋

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玲央の背後を襲った男の腰を蹴る。体勢を崩した男が仲間の集団に突っ込んだ。 「大丈夫かっ!?」 「ち、腕を切った」 鉄パイプを取り落とした玲央の傍から足ですくいとり玲央を背に庇い傷を見る。 ヌルリと光るものが押さえた手のひらから雪の上に滴り落ちる。 さっき倒した敵はヨロヨロと立ち上がりまた襲う構えを見せた。 周りを取り囲まれ、下がろうにも下がれない。 殺気は膨れ上がりジリジリと輪を狭めてく。 「龍琉、おまえさっさと逃げろ」 「バカか、おめえは」 はい、そうですかって置いていけるわけねえだろ。 バカじゃねえのか。 「龍琉っ!!」 足ですくった鉄パイプを握りしめると目の前にいた男の腹に突き入れた。 僅かに怯んだ男の横腹に叩き込む。 「玲央を殺ったんは…てめえだよな」 腰を強打した黒メットが一歩足を引いた。 血を流した玲央を横目で見る。
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