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優花はいつものようにコンビニに寄る。 そしてお菓子の棚に。 よっし、普通のチョコを買え! 優花は小さなチョコレートの箱を取った。 そーだ!それを買え! でも棚に戻すとおつまみコーナーに行く。 優花は、柿の種がチョコレートでコーティングされているのを手に取る。 なんだよそれ!柿の種は柿の種、チョコはチョコで買え! 俺の願いもむなしく、優花は柿の種チョコを買った。 ダメだよなあ。イチゴ味がダメなんだから、柿の種はなおさら。 家に帰った彼女は、冷凍庫のカレーとコンビニのサラダを食った。 優花は昔から、休みの日に一日かけてカレーを作る。泣きながら大量の玉ねぎを切って茶色くなるまで炒める。 俺は優花のカレーが好きだった。 普通の市販のルーだけど、うちのとは違う味。 丁寧に丁寧に作られた味。 いつだったかな、おまえがあんまり泣きながら玉ねぎを切るから、俺のゴーグルを貸してやったんだ、水泳用の。 ゴーグルをつけて、玉ねぎを切っているおまえの姿に爆笑したな。 あの頃は、ほとんど俺が食っちまうから、冷凍になんかしなかった。作ってくれた日の夜に、二人で食って、次の日の朝、俺が一人で完食した。 『えっ?もうないの?』 最初の時、夜に来たおまえは驚いて目を見開いてた。 おまえの丸一日の労力を、あっさり食っちまった俺に、驚いたあとおまえは言ったよな。 『いっぱい食べてくれてありがとう。』 嬉しそうに。 今、優花の冷凍庫の中には、保存容器に入ったカレーがいくつもある。何日もある。 昨日もそのメニューだったよな。違うもん食えよ。料理はうまいじゃねーか。なんで毎日カレー食ってんだよ。 作る量、考えろよ。 ドンクセーなあ。
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