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しかし出版社も営利団体である。 いつまでも際限なく待っていてくれるわけではない。 しかし新聞社と比べれば、比較にならないくらいに自由度が高いのは確かだ。 大道は今の仕事についてよかったと思っている。 唯一の悩みは、取材が立て込むと休みなし、睡眠時間かなり少な目となるのがつらいといえばつらいのだが、だがそれも大道が自ら選択した結果なのだ。 新聞社で仕事をしていたときのことを思えば、天国とまではいかないけれど、少なくとも地獄ではないと大道は考えていた。 と言うよりも、天国と地獄が適当に混ざり合って混沌とした仕事、とでも言ったほうが正しいかもしれない。
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