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大道もこの仕事についてそれほど長い時間を過ごしてきたとは言えないが、それでも誰かが死んで「こいつ、喜んでいるな」と思える人物には何人か会ったことがあった。 しかしそれをはっきりと口にしたのは、この男が初めてだった。 よっぽど並木が腹に据えかねたのかとも思ったが、そうではなくて思ったことをすぐ口に出してしまうタイプの男なのだと気がついた。 ――こいつ、これじゃあ人生さぞかし苦労することだろうな。 大道は思ったが、しょせん大道には関係のないことだ。
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