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次の日の昼休みに絵梨奈に放課後時間があるかと聞かれ、何かあったんだろうかと思った私は首を傾げる。
「昨日電話で輝に優志さんのこと聞いたの。そしたら美央に直接話したほうがいいからって、今日の放課後時間取れるか聞いておいてって言われたんだ。」
「うん。大丈夫だよ。」
絵梨奈に返事をしながら私の中で不安が膨らんでいくのを感じた。
嫌な予感がして胸の奥がキリキリと痛みだし、午後の授業が全く集中出来ないまま放課後の約束の時間を迎える。
「美央、顔色悪いけど大丈夫?他の日にしてもらおうか?」
「大丈夫。いつかは聞かなきゃならないことだから。」
嫌な予感がするということは、きっと覚悟しなければならないのかもしれない。
誰にもどうすることも出来ないことはいくらでもあるんだ。
優志の優しさは私への愛情からくるものじゃないとしても、現実はしっかりと受け止めなければならないんだと思う。
近くのファミレスで輝さんの仕事が終わるのを待って1時間がした頃、絵梨奈の携帯に連絡が入り私たちは店の外へとでた。
「乗って。場所移動するから。」
駐車場に車を停めていた輝さんに言われ、私は絵梨奈と一緒に輝さんの車へと乗り込んだ。
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