41人が本棚に入れています
本棚に追加
もうすぐ誕生日が来るはずなのに、全く嬉しいなんて思えなくて、輝さんと話した日から何日か過ぎたとは思うけれど、どこかで響く携帯の着信音が何度も部屋に響いているのを感じながら、そっと目を閉じる。
絵梨奈からの電話に漸く出た後、泣きながら心配したんだと何度もいう絵梨奈が、アパートに来てくれて、私は外へと連れ出された。
店に入る気になれない私を、アパートから少し歩いたところにある小さな公園に、絵梨奈に手を引かれて歩いて行く。
「美央、ちゃんと食べてる?何日も外にも出てないでしょ!学校だって・・・。それに・・・。」
「食べてるはずだけどな。外にも、あれ?今日何日?」
確か・・・、輝さんと話をしたのが誕生日の1ヶ月前・・・2月27日だから・・・。
「今日は3月10日だよ。とりあえずこれ、作ってきたから一緒に食べよう。飲み物も持ってきたから。」
「うん、ありがとう。」
心配して、こうして食べる物まで作ってきて、家まで来てくれる友達はなかなかいないと思う。
私は良い友達を持ったんだなって改めて絵梨奈に感謝して、公園のベンチに一緒に座り僅かに食欲が出た私は、絵梨奈が持ってきてくれたお弁当を一緒に食べた。
「やっぱり絵梨奈は料理上手だよね。輝さん幸せ者だ。」
「ねぇ、美央。優志さんとはどうしたの?」
最初のコメントを投稿しよう!