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絵梨奈には別れたことを話さなきゃならない。
まだ優志のことを思うと辛いけど、きっとこの先私を大切に思ってくれるいい人が現れるんだって、何度も自分に言い聞かせる。
だから、私はもう大丈夫なんだって自分に暗示をかけた。
「私から別れようってメッセージ入れたの。」
「優志さん、何か言ってた?」
何か・・・、うん、メッセージが届いてたかもしれない、それに着信も。
内容はまだ怖くて見れないままだったけど。
「たぶん・・・。」
「たぶん?」
「うん、電話いっぱいなってたけど、出てないし。たぶんメッセージもあるかもしれない。まだ見てないんだ。絵梨奈から電話来るまでずっと携帯放置してたから。」
今も携帯にメッセージや着信が入っているのだろうか。
いつもの癖で帰ってからも、普段使わない時でさえ、充電器のホルダーに携帯をはめ込んでしまうのだ。
絵梨奈は食べ終えた弁当箱を慌てて片付け始め、バッグの中へと放り込むとベンチから勢いよく立ち上がった。
「今すぐ携帯見よう。ひとりが怖いなら一緒に見てあげるから。ね?」
「・・・うん。」
絵梨奈が一緒にいてくれるなら、大丈夫かもしれないって不思議と感じていた。
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