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『夢と現実はリンクしている』
パグが言ったことは本当なんだな、とわたしはしゃがみ込んでぼんやり考えていた。
あたりは真っ暗だ。もう夢の中だとわかっている。
このままじっとしてたら、またあの影がやってくるのかな。……掴まっちゃっても、いいかな……。
そんなことを思った瞬間だった。
キィン!
高い音が響いて、わたしは反射的に顔を上げた。
「なにやってんだよおめーは」
パグだった。
パグの先には黒い影がうずくまっていて、やっぱり今日も現れたんだなぁとぼんやり考えていた。
パグはずかずかとわたしの方へ歩いてくる。そしてしゃがみこむわたしの肩を、がしっと掴んだ。
「なにがあったかはあとでじっくり聞いてやる。今はアレを倒すまでじっとしてろ」
頭にパグの手が触れた。その手はわたしを髪をぐしゃぐしゃと撫でて、離れていく。
パグは影に向き直った。影ももう体勢を立て直していて、パグと向き合っている。
……助けてくれなくて良かったのに。
あんなに大切だったアカネちゃんを守れないわたしなんて、いらない。
大事な親友との約束を守らなかったわたしなんて、消えてしまえばいいのに……!
「ヒカリ! 心をしっかり持てよ!」
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