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ジリリリリリ…………
目覚まし時計の音が鳴り響いた。
ピンクのカーテンのすきまから、朝日がもれてきている。ここはわたしの部屋だ。
大丈夫、あれは現実じゃない。だけどわたしは汗だくだ。
「ヒカリー! 遅刻するわよー?」
一階からわたしを呼ぶお母さんの声に、あれが夢だったんだとほっとした。
ここのところ、いつも悪い夢を見ている。何かに追いかけられていて、追いつかれる寸前で目が覚める。
あれがなにかはわからない。だけどあれに追いつかれたらおしまいだ、ってなんとなくわかっていた。
ただでさえ、悩んでることがあるのに……。
「あ……」
わたしは四年二組の教室に入って、アカネちゃんと目が合って固まってしまった。
アカネちゃんはふいっとわたしを無視して、他の友達のところに行ってしまった。
アカネちゃんは幼稚園のときからの友達だ。同じバドミントン部に入ってて、ずっと仲良くしてきた。いちばんの友達だ。
だけど最近はちょっとぎくしゃくしていた。
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