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狂は朱里の事を知っている
特殊な空間に閉じ込められていた時
まだ僅かに力が残っていたため、猫に憑依したことがある
しかし、憑依は簡単に出来るものではなく、その上
力も僅か どの生き物に憑依出来るか分からない状態だった
それでも狂は外の世界を見てみたく、力を振り絞り
猫へ憑依した しかしその憑依した猫はまだ子猫で
衰弱しきっていた
人間の少年達が猫を玩具にして遊んでいたのだ
狂は人間が変わっているか少し期待していたのだ
だが、やはり人間はどれだけ時間がたっても
変わらないのだと、人間に幻滅した
周りの人間は見て見ぬ振りをするか、
面白がっている人間しか居なかった
子猫の身体が時間と共に弱っていった時、
一人の小さな子が子猫を庇った
猫を取られた子供たちは小さな子に小石をぶつけていたが
子猫に当たらないようにと抱きしめ、少年たちに
背を向けて子猫を守る
小石では退かないと思った少年たちは、
小さな子…朱里の元へ歩くが、
近付いていることに気付いた朱里は
走って逃げた。腕にしっかり猫を持って
捕まれば猫がまた酷い目に合わされると思ったからだ
自分では守れない、弱い事をしっていた
だから朱里は弱った猫をしっかり抱き締め、
動物病院へ走った
そうして子猫…狂は朱里に初めて出会った
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