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「どうしたの!?」
朱里の母親が驚いた顔で泣いている胡桃に近付く
「なんでもないっ」
「こんなに泣いて、何でもないわけないでしょ!
…まさか、朱里が愛ちゃんに酷い事を……」
母は泣いている胡桃の背中を撫でて、
自分の子、朱里を睨みつける
「違う!朱里は悪くない!
俺が悪い事したから朱里が怒っただけで……」
泣くのを耐えるように唇を噛みしめ胡桃は俯く
その様子に母は怒りながらも、我慢して
「…そう……ごめんなさい愛ちゃん
きっと朱里は苛立ってたのよ。じゃないと
こんないい子な愛ちゃんに怒るはずないもの」
朱里に怯える振りをする胡桃の頭を母は撫で、
今日はもう帰りましょう…と胡桃を連れて
リビングにいる父と少し話し、父が家まで送りに行った
狂が腕で隠れていたから
母にはまだ見つかっていないかもしれないと
母が離れた隙に狂を隠そうと僅かな時間の中で
タンスに目が入り
朱里は狂を急いでタンスの中へと入れた
「お願いだから、静かにしててね」
そういってタンスを閉めて少しすると母が
怒った顔をして朱里を怒鳴りつけた
「あんたはなんであんないい子を何度も虐めるの!?」
「ち、ちがっ「黙りなさい!!言い訳なんて聞きたくない!」
母は黙らせるように朱里の頬を叩く
「学校の先生と愛ちゃんの友達が言ってたわよ
また愛ちゃんに嫉妬なんかして、
暴力を振ったそうじゃないの!
…私生まれるなら愛ちゃんみたいな優しい子供がよかったわ
こんな子が生まれてくるなら、あんたなんか
“産まなければよかった”」
そういって部屋の外へ出て、鍵が閉まる音が聞こえた
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