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狂は意識が朦朧としながら
強い風に打たれながらも目を開けると
そこは空
「は!?」
崖から落ちた先は空が広がっており、
現在凄まじい速さで落下中
酷く混乱しながらも一緒に落ちた胡桃が居ないか
辺りを見渡すが綺麗な空が見える
色々考えている間に地面がドンドン近付いていく
本来の狂ならば打ち付けられても再生しすぐに治るが
力も殆ど無い上に身体もボロボロ
今は朱里の体に狂の体の一部を出しているだけ
今打ち付けられれば即死だろう
残り少ない力を使い衝撃を和らげる為に
手に残り7割力を集中させ、身体を守る為全身に2割
狂は力を放出し、勢いを止めて着地する
狂は動く力さえなく、着地と同時に崩れ落ちる
意識が途絶える直前に何かあった時の為に
武器を渡して狂の事や闇や力の事について
全ては流石に余裕がなく必要な知識だけ送り込んで
深く眠りについた
朱里は狂が眠ってすぐに目が覚めた
今の朱里は先程と違い、元の姿に戻っていた
朱里はグラつく頭を抑え、記憶に混乱していた
朱里は狂と入れ替わった後の記憶があった
自分が自分で無い事に驚き混乱しているが
不思議と恐怖はなく
送り込まれた知識も脳に馴染んでおり違和感がなかった
こんな事しってたっけ?と思う程度だ
知識と一緒に狂について感情と共に少し流れ込んできて、
狂の事を知り凄く嬉しかった
朱里は涙を流しながら心がゆっくりと温まっていく
「生きてて良かった」
希望も幸せ、喜びすら感じれなくなった世界で
またこんな気持ちになれるなんて思わなかった
死んだ筈の狂にまた会えるなんて思わなかった
涙を流しながら狂からもらった腕輪をそっと撫でる
武器ではなく、腕輪な事に驚いたが
流れてきた知識で納得した
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