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首に歯が当たり食い込もうとした時
ドカァアアン!という音と共に相手は遠くへ吹っ飛んでいき
身体がバラバラになっていた
「……ぇ?」
状況に頭がついていけず硬直する
「おい、大丈夫か」
砂が舞っておりよく見えず
声がする方に顔を向け相手を見る
「おい…?」
返事をしない俺に眉を寄せながらも少し心配そうに見る
「ぁ…は、はい!」
お礼を言わないと!と急いで立ち上がるが
上手く立てずに倒れる
地面にぶつかるとギュッと目をつぶったが、
衝撃がこず、目を開けて見ると目の前の人が
支えてくれていた
「ぁ、ありがとうございます」
胡桃が原因で人が怖く、お礼を言った後数歩下がる
「お前っその血」
「ぇ?」
目の前の人に言われ、自分の服を見ると全身血塗れだった
「傷見せろ」
そう言って朱里の怪我を見ようとするが、
砂が舞いすぎてよく見えない
「チッ邪魔だ」
そう言った瞬間微風が吹き、
あっという間に砂煙が無くなった
「え、えぇ?」
何度も瞬きしながら驚いている朱里を無視して傷を見る
「傷見るから服捲るぞ」
「あ、はい」
伸びてくる手に少しビクビクしながらも大人しくする
ボーっとしていると、身体には大量の傷痕がある事を
思い出す
「ぁっダメ!!」
止めようと大きな声をあげるも既に遅く、
捲られた後だった
「ぁ……」
見られた事に泣きそうになり唇を噛み締める
この痕を見た人は大体気持ち悪がっていた
胡桃のや胡桃の周りの人間だと被害者ぶるなとか
構ってもらいたいからってここまでするとかキモイとか
色々言われた
気持ち悪がられるかもしれない
酷く怯えながら相手を見るけど、
眉を寄せ黙って傷を見ていく
首、腕、お腹や足の傷を見た後に何処からか
治療道具を取り出してテキパキと手当していくが
突然手当していた手を止めて首を傾げる
少し何かを考えた後にまた手当をしていく
やっと終わったと朱里は服を着ようとしたが、
「ちょっと待て」
そう言われピタっと止まる
「治癒魔法は得意じゃねえが…」
何かを呟くと、
朱里の頭に手を当てる
するとさっきまで酷かった眩暈も消え
身体が軽くなっていた
「なにしたんですか!?凄い!」
気付いた時には不思議と恐怖は無くなっていた
「あー…知らねえってことはやっぱり神子か落ち人か
けどその刀を見ると神子じゃ無さそうだな」
「神子??落ち人?ぁ、刀!」
刀の事を思い出し
腕を刀の方へ向けると刀は変形し腕輪に戻った
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