2人が本棚に入れています
本棚に追加
終了の知らせと同時に安堵と混乱から僕たちは下半身を丸出しにしながらぼーっとしていた。
助かったという嬉しさと、こんな馬鹿馬鹿しいことをしている様子にお互いどうしていいかわからなくなっていた。
先に動き出したのは佐山という少女だった。
僕を半ば突き飛ばし、彼女は制服を整えて、その場を後にしようとした。
そんな動きを見せた彼女に対して僕は、ズボンを上げながら声をかける。
「待ってくれよ!どこに行くんだよ?」
佐山は無言で走り出した。
僕は彼女を追いかける。
「おい無視するなよ!これからどうするんだよ!」
「着ぐるみのあいつも言ってただろ?俺たちはペアだって!1人でどうするんだ!」
彼女の全速力はなかなかに早く、追いつくことができない。
僕は追いつかない虚しさとやるせなさ、不安と身勝手な彼女の言動に怒りのあまり叫んだ。
「このままだとヤリぞんだぞ!
彼女はそれを聞くときびつを返してきた。
「最低ですね……」
「やっと止まってくれた」
僕はこれはチャンスだと思い弁明する。
「あのときは僕がしたから助かったんじゃないか。それに僕は君と話がしたいんだ。これからのこととか、お互いのこととか、そういうの……」
「まずはゆっくり話し合おうよ。お互い話し合えば分かり合えーー」
佐山は僕を思いっきり叩いた。
「あなたとは分かり合えないし、分かり合いたいとも思わない」
僕はあまりの痛さと、驚きで何も言い返せなかった。
最初のコメントを投稿しよう!