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「へ?」
彼女は顔が赤くなり、言葉を失った。
僕は女の子に聞く。
「なんだよ、それ」
「まあまあ、やり方はこの映像を」
女の子は木の上から小型のディスプレイを取り出した。
「いや、そんなのいらないから!」
「いやいや、これは他のペアの映像なんでありんすよ。みときんなし」
映像には僕たちと同じように制服を着た女の子と大学生くらいの男の人が出てきた。
おどおどする男の人を押し倒し、お嬢様風の女の子が男の首をぺろりと舐めた。
「お、おい、本当にするのか!?」
「当たり前でしょ?ここから出たいもの。それに童貞の貴方は、きっと私みたいなJKとやれるなんて一生ないんじゃない?」
「ぼ、僕は童貞じゃないぞ!」
女の子はズボンに手を入れた。
「へー、ブ男さん、そんなこと言いながら凄い何か出てるけど?」
「ねぇ、どこまでやればOKなのかしら?」
「自分達がイチャイチャに入る範囲でしてもらえばいいでありんす。だめなら、何も起こらず合格ならお知らせでわかるでありんすよ」
「ちっ。……まあ、いいわ」
お嬢様風の女の子はズボンとパンツを下ろしにかかった。
僕は、それ以上はと思い、ディスプレイの電源を乱暴に切った。
「何をするんでありんすか!ここからが良いところなのに!」
「何が良いところだよ。ここには女の子がいるんだぞ」
彼女を見ると顔を両手で隠していた。
「ふーん、まあ、手に隙間が開いていたことは黙ってあげるでありんす」
「開いてない!!」
「さて、ここまでお膳立てしてあげたんでありんすから、ここからは男の見せ所っすよ?」
狐の着ぐるみをした女の子はそそくさと草むらに隠れていった。
僕は彼女を見ると、顔を伏せていた。
「あのさ」
「はい、わかってます……。たぶん、今までの情報を整理すると、いうことを聞く他ないですね」
この施設のこと、他にも同じようなことがあったこと、子どもが説明したこと。これらから、僕たちは大きな何かに巻き込まれているのは間違いない。
僕は覚悟を決めて、彼女の肩を寄せて正面に立った。
「あのさ、いまさらだけど名前は?」
目を合わさず彼女は答える。
「……佐山」
「そっか。僕は白峰。その……」
「とりあえず、早くしてください。ここから早く出ないといけない気がするので」
「ご、ごめん。わかった」
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