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どこまでも続くかのような、見渡すかぎりの草原。 その草原の中に、一人の少女が座っていた。 陽に透ける茶色がかったやわらかな髪が、肩の下あたりまで伸びている。 穏やかな瞳。 口元に淡い微笑み。 見るからに儚げな少女である。 その少女が見つめる先に、一人の少年が現れた。 太陽の光を全身に受けて育ったことがわかる、素朴な少年である。 嘘偽りない、嘘という言葉さえ知らないかのような真っ直ぐな瞳。
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