僕の名前は、野里のり太

6/6

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
暖かくて、広くて、そして・・何だろう・・。 幸せな気持ちになれた。 「父さん・・僕、父さんの膝に乗ると、気持ちいい・・」 「のり太、さすが父さんの子だな・・うんうん。 父さんは嬉しいよ。やっと、乗ってくれたんだな・・・。 なあ、たまえ・・」 見れば、母さんもうっすらと涙を浮かべていた。 「のり太、もう、あなたも一人前! 立派に乗ったわね・・」 「父さん、母さん・・ありがとう! 僕、僕・・。イエ~イ、やったぜ!」 僕たちはやっと、家族になれた!  ノリと乗りを手に入れた僕はやっと、のりのり太になれたんだ! しばらく、幸せに浸っていた僕だったけど 「ごめん、父さん、僕、ちょっとトイレ・・」 僕は朝トイレに行くのを忘れてた。 僕が父さんの膝からおりようと・・・。 あれ? おりようと・・・・・。 「おりられない!!」 「何を言っているんだ? のり太、おりなさい!」 僕の足は、いや、僕が履いているスニーカーがいつの間にか、父さんの膝にぴったりくっついて、離れなくなくなっていた。 「わぁーん! おりられないよ~!! オシッコ、もれちゃうよ~」 「のり太、早くおりなさい!!」 「のり太、おりるんだ! 今すぐおりろ!!」 父さんも母さんも鬼のような顔だ。 ノリノリじゃない、オリオリだぁ~!! ジュワ~っと、僕のお尻辺りから、スニーカーへ、いろんなものが流れ出した。 「きゃー! く、くさいわ! のり太!くさい!!」 「そんなこと言ったって~。おりられないんだよ~! うわ~ん!! 助けて~! スニえもん~!!!」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加