第一章  密室のアーケードゲーム機(Ⅰ)   ――(俺)

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 画面の質問に正直に答えるなら、「はい」を選ぶべきだが、俺は迷っていた。  この部屋からは、得体の知れないものを感じる。  すすけた天井には、ひび割れた裸電球が一つ垂れ下がっていた。床の黒い絨毯には、赤い魔方陣が描かれている。  しかも左右の壁には、いくつもの不気味な染みがあった。どの染みも人型で、助けを求めているようにしか見えない。  そんな染みを目にしていると、嫌な想像ばかりが浮かんでくる。  これらの染みは、過去この部屋に閉じ込められた人間たち。彼らのなれの果てかもしれなかった。もし選択を間違えれば、俺もこうなるかも・・・・・・。  この状況、正直に答えるのが正解とは限らない。18歳未満と偽った方が、良い結果につながることもあり得る。  が、その逆も考えられる。
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