第一章  密室のアーケードゲーム機(Ⅰ)   ――(俺)

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 俺はなかなか決断を下せずに、「はい」と「いいえ」の間で視線を往復させていた。  しかしながら、残り時間は待ってくれない。  画面右下の数字は、すでに10を切っている。  そんな時、あるお笑い芸人の言葉を思い出した。  ――迷った時は、自分の直感を信じるんや。  その通りかもしれない。このままだと時間切れになってしまう。  俺は直感を信じて、「いいえ」を選択することに決めた。  心の中で祈りながら、決定ボタンを押す。
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