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あぁ~~あ、つくづく自分の行動が空しいよ。
惚れた弱みってやつですかね。
「分かったよ。でもさ……マジで時間的に余裕ないんだよね。口で説明しても難しいだろうから、うちに来てもらっていい?今夜仕事終わってからだから、泊ってもらう事になっちゃうけど。」
「いいの?」
いいの?って……
いいって言わせたんじゃん。
でもひと晩、廉ちゃんを独占出来る訳だしね。
それ位のご褒美があるなら、俄然やる気にもなるってもんだ。
「ちゃんと覚えて、伊織くんと仲直りしなよ。」
そう言った途端、いきなり廉ちゃんに抱き付かれた。
僕はもちろん、そっぽを向いていた慎も硬直した。
「やっぱり啓祐だよー!!だからお前って好き!ありがとな!」
ぎゅっと抱き締められて、喜んでる廉ちゃんの背中を、チャンスとばかりに抱き締める。
仕方ないよね。
こんなに可愛い廉ちゃんを見れるのは、伊織くん絡みの時だけだし。
こうやって頼って抱き付いてもらえたりしたら、充分いいポジションなんだもんね。
決して一番にはなれないけれど。
こうして時々、温もりを分けてもらえる位置が心地よいのかもしれない。
「じゃーまたあとでな!」
そう言って廉ちゃんは、嬉しそうな顔をして去って行った。
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