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呆れたように大きく溜息を付きながらも、それでも廉の願いを聞いてしまう自分が情けない。
ちらっと視線を動かせば、慎も納得したように頷きながら溜息をついていた。
まぁ当たり前だよね。
僕を何だと思ってるんだ!って事だもん。
そう言えば、前回の喧嘩のときは生姜焼きだっけ?
で……その前は、ハンバーグだったよね。
毎回伊織くんの手料理食べてるんだし、傍で作ってる姿も見てるんだから、聞かなくったって出来そうなもんなのに。
それに何年一人暮らししてんだよ。
まったく伊織くんのいない時は、何食べてこの人は生きてるわけ?
「で?今回は何を作りたいの?」
「スープカレー。」
それを聞いて、思いっきり脱力。
はいはい。
そう言えば雑誌に最近、伊織くんがハマってるって書いてあったもんね。
「そんなのさぁ、金払ってまで普段食べないし……まったくスープかカレーか、どっちかにしろって感じじゃん。」
まぁ廉ちゃんだったら食べないよね。
そんなややこしい料理好きじゃないもん。
それでも伊織くんの為になら、作るって思っちゃうんだもんなぁ。
で……僕はって言うと、すでに食材を頭の中でリストアップしていた。
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