12人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
+ + + + + +
とにかく廉ちゃんが不機嫌になるのは嫌だなぁ。
伊織くんに恨みはないけど……
いや、あると言えばあるけど。
「啓祐!いったい何、話してたんだよっ?」
「教えてあげない!」
「なんだとーーー!!」
途端、胸倉を掴まれて、そのまま壁際まで追い込まれた。
ぐ…ぐるしいぃ……
「慎……たす…け……」
助けを呼ぼうと慎を見れば、完全に気配を消して背中を向けていた。
「お前っ!誰に向かって口利いてんだよっ!」
そ‥そんな……落ち着いて、伊織くん?
でもさ、伊織君が悪いだよ。
廉ちゃんの事好きなくせに、ちょっとの事で喧嘩するんだもん。
「廉ちゃん、別れたいって言ってたよ。」
思わず口に出た言葉に、伊織くんは僕を離して完全に固まった。
こ……これ位の冗談、いいよね。
だっていつだって迷惑をこうむってるのは、こっちなんだもん。
「どうせ大した理由でもないのに喧嘩して、仲直り出来ずにやつあたりしてるんでしょ。いい加減にして欲しいよね。すっげー迷惑。そんなに喧嘩ばっかするんだったら、別れちゃえばいいんだよ。廉ちゃんには僕だっているんだし……」
「啓祐くん……もう伊織くんいないよ。」
.
最初のコメントを投稿しよう!