いいひと

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+ + + + + + とにかく廉ちゃんが不機嫌になるのは嫌だなぁ。 伊織くんに恨みはないけど…… いや、あると言えばあるけど。 「啓祐!いったい何、話してたんだよっ?」 「教えてあげない!」 「なんだとーーー!!」 途端、胸倉を掴まれて、そのまま壁際まで追い込まれた。 ぐ…ぐるしいぃ…… 「慎……たす…け……」 助けを呼ぼうと慎を見れば、完全に気配を消して背中を向けていた。 「お前っ!誰に向かって口利いてんだよっ!」 そ‥そんな……落ち着いて、伊織くん? でもさ、伊織君が悪いだよ。 廉ちゃんの事好きなくせに、ちょっとの事で喧嘩するんだもん。 「廉ちゃん、別れたいって言ってたよ。」 思わず口に出た言葉に、伊織くんは僕を離して完全に固まった。 こ……これ位の冗談、いいよね。 だっていつだって迷惑をこうむってるのは、こっちなんだもん。 「どうせ大した理由でもないのに喧嘩して、仲直り出来ずにやつあたりしてるんでしょ。いい加減にして欲しいよね。すっげー迷惑。そんなに喧嘩ばっかするんだったら、別れちゃえばいいんだよ。廉ちゃんには僕だっているんだし……」 「啓祐くん……もう伊織くんいないよ。」 .
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