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廉ちゃんは、僕の苦しい気持ちを分かってない。
いや、知っていて、この人はそんな事を言う。
僕の気持ちには応えられない。
だけど変わってくれるなと……
僕にはいつだって伊織くんとの事なんて関係ないって顔をしていて欲しいと。
それが出来るほど大人じゃないんだって言葉は、心の中だけで止めた。
『なぁ……お前さーいい加減、メアドかライン教えろよ。そうしたら電話出れない時でも、一言あとから連絡だけは入れておけるじゃん。俺も教えるからさ。』
「嫌だ。」
思いっきり拒絶の言葉を吐き出して、自分でも少しビックリした。
『啓祐……?』
「あっ…ごめん。いや、そうじゃなくて。ほらっ、あんまりメールって好きじゃないし、打つの面倒だし遅いし。LINEも既読スルーとか、それから……」
理由になんてならないのは分かってるけど、もう聞かないで欲しい。
だって……
今の僕は、これ以上は押さえられない。
『でもさ……』
「アドレス聞いたら、歯止めが利かなくなるじゃん!」
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