片思い

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『もしもし。』 「あ‥れ……伊織くん?あっ!間違えました。」 慌ててスマホを切って、それを見つめる。 確かに掛けた廉へのナンバー。 だけど繋がったスマホには伊織が出た。 あぁ、そうか…… 一緒にいるんだね。 「あぁ~ぁ。何だか現実見たって感じ。」 呟いてベッドにダイブすれば、揺れた体と揺れる心。 2人が付き合っている事は、ずっと前から知っていた。 伊織くんが何だか言い辛そうに伝えて来た日の事を、僕はしっかりと記憶している。 で……付き合っているって事は、つまりはそういう事な訳で。 「やばっ…想像しちゃったよ。」 邪な想像の分だけ廉が遠くなった気がして苦しくなった。 .
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