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「あぁーー!何か、ムカツク!!」
何怒ってるの?って、啓佑がアイスを咥えながら振り返った。
「別に……何も、ねーけど。」
「イライラされると部屋の空気が悪くなるから止めてくんない?しかも何もないのにイライラするとか、マジないから。……ってかさー怒るんなら、本人に言えばいいじゃない。」
「誰にだよ?」
「そりゃー伊織くん。」
俺がムカついてたら、伊織の事だって思うなよ!って、廉は啓祐の頭をバシッと叩いた。
「啓祐、ムカツク!」
そう言っておもむろに啓祐のアイスを取り上げて、残りをひと口で頬張れば。
「甘い……」
文句を言いつつアイスの棒をゴミ箱に投げ捨てて、楽屋の僅か2畳ほどの畳スペースに座り込んだ。
「あーーもう!人の物食べて、文句言わないの。甘くて当たり前だよ、キャラメル味だもん。」
そしてそのまま大型クッションを抱き締めながら、廉は自分の中のイライラを啓祐にぶつけた。
その様子に大きな溜息を付き、椅子の背もたれを前にして跨ぐと、啓祐は廉に向き合った。
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