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「何、びびってんだよ、啓祐。」
「い……いや、別に。ちょうど良かった!廉ちゃんがさ、イジケちゃって困ってるんだけど!伊織君、さっき何かしたでしょう?もう絡んで来て、すげー機嫌悪いんだから。」
苦笑しながら伊織に問い掛けて、啓祐は内心ドキドキしていた。
別に廉の頭を撫でたからといって、伊織に責められる訳でも怒られる訳でもないけれど。
何となくばつが悪くて頭を掻いた。
「ん?……何にもしてねーって。それよりちょっと、廉……ほらっ、そんな格好で寝てねーで、ちゃんと横になれって。毛布持ってきてやったぞ。」
えっ?って、啓祐は廉を見る。
そこにはすやすやと眠る廉の姿があった。
「寝たのっ?」
「大きな声出すなって。」
しーーっと伊織は口許に指を当て、そのままそっと横に寝かせ毛布を掛けてやる。
その一連の動作が当たり前だけど慣れていて、啓祐は見ていたくなくてそっぽを向いた。
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