温めてあげたい

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   *  *  *  *  * もしも…… 本当に弱音を吐くような何かがあるのなら。 もし、淋しいのなら。 もし、壁にぶつかってるんだったら。 迷わず俺に言えばいいじゃん。 聞いてやるのは、いつだって俺だっただろ。 それとも役者での悩みか何かで、俺じゃダメなのか? まぁ役不足であることは否めないけどな。 でもさ…… こんな時のために、俺はお前の隣にいたんじゃないのかよ。 どんな弱音であろうとも、まずは俺にしてこいよ。 ほんと、マジムカつく。 伊織を思っているはずなのに、出てくるのは悪態ばかり。 溜め息を付いて、最後に入っていた留守録に耳を傾ける。 何で気付いてやれなかったんだ。 伊織を責めるのは、違うよなぁ。 あいつの変化に気づいてやれなくて、支えてやれなかった自分が悔しくて情けなくなっていく。 「恋人失格じゃん……」 呟いて、目の前にいない伊織に思いを馳せれば、ふとTVから伊織の声が聞こえた。 .
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