第1夜

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 それは突然。目覚めた感覚に似ていた。  目が開くのと同時に跳ね起きる。  飛び込んできたものは、見慣れた景色だった。  木目の床、白い壁。整然と並んだ茶色い机と椅子。  黒板やロッカーはないが、紛れもなく学校の教室内。  ひとつの席に座っていた神藤は辺りを見渡し、ぺたりと机に触れる。  触り慣れた感触。僅かに走る傷の窪みも、指から伝わってくる。  ――これはやけにリアルな夢。  もちろん今まで10数年生きてきたので、何度も夢を見たことはあるが、ここまで現実に近いものは初めてだった。  雰囲気も手に伝わる感触も、まるで本物――。  だが神藤にとって、この夢の内容は嬉しいものではない。  毎日嫌で仕方ない学校生活。  夢の中まで学校に居たくなかった。  不快に顔を歪め、起きろと念じる。  だがそんなことをしても目覚める訳もなく、神藤が苛立ちに立ち上がった時だった。 「――ぎゃあああああ!!」
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