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廊下に倒れる頭のハゲたおっさん――。
神藤と目が合ったが、その目は白目を向いていた。
もう死んでいると言うことが、見ただけで分かる。
口から血を流し、ピクリとも動かない。
だが不自然に、体はびく、びくと動く。
――それもそのはず。
おっさんに馬乗りになっている男が、何度も何度も、腹に包丁を突き立てていたからだ。
包丁が刺さる音の後に、ぐちゃと言う生々しい音がする。
その度に血飛沫が舞い、男の顔に点々とした赤が付く。
まだ中学生ぐらいの幼い顔をしているが、その表情は狂気的な笑みを浮かべていた。
刺される腹から中身が出ていたが、それすらぐちゃぐちゃに、ミンチになっていた。
同じような残酷なことを、ゲームの中ではしたことがある。
だが実際には見たことも、もちろんやったこともなく――。
目の前で行われている行為の惨さと臭いに耐えかね、神藤は「おえぇぇ……」と、胃の中の物を吐いた。
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