20人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
毎日パシリにされ、面白いからと殴られ蹴られ、時にはお金も奪い取られる。
それは教室外でされることが多かったが、教室の中で行われることもあった。
どんなに殴られ、机や椅子が吹っ飛ぼうとも、神藤を助ける者などいない。
むしろ自分達に同じことが降り掛からないよう、見て見ぬフリをする。
不良と呼ばれる真菅に、逆らう奴などいない。
それに友人もいない根暗な神藤を助けようとは、誰も思わなかった。
――――くそっ。
込み上げてくる、渦巻く怒りの感情。
めらめらと炎のように沸き上がるが、それだけ。
神藤には真菅に立ち向かう勇気も、力もなかった。
身長は真菅より低いし、ひょろっとした体型は、真菅の蹴りに耐えたことは一度もない。
今まで運動部に入ったこともなく、部屋に篭ってばかりの神藤が、ケンカばかりしている真菅に、叶うはずもなかった。
それが分かっている神藤は、毎日をただ耐える。
苛立ちと悔しさ、やるせ無さを抱えたまま。
最初のコメントを投稿しよう!