第1夜

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 毎日パシリにされ、面白いからと殴られ蹴られ、時にはお金も奪い取られる。  それは教室外でされることが多かったが、教室の中で行われることもあった。  どんなに殴られ、机や椅子が吹っ飛ぼうとも、神藤を助ける者などいない。  むしろ自分達に同じことが降り掛からないよう、見て見ぬフリをする。  不良と呼ばれる真菅に、逆らう奴などいない。  それに友人もいない根暗な神藤を助けようとは、誰も思わなかった。  ――――くそっ。  込み上げてくる、渦巻く怒りの感情。  めらめらと炎のように沸き上がるが、それだけ。  神藤には真菅に立ち向かう勇気も、力もなかった。  身長は真菅より低いし、ひょろっとした体型は、真菅の蹴りに耐えたことは一度もない。  今まで運動部に入ったこともなく、部屋に篭ってばかりの神藤が、ケンカばかりしている真菅に、叶うはずもなかった。  それが分かっている神藤は、毎日をただ耐える。  苛立ちと悔しさ、やるせ無さを抱えたまま。
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