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「はいはい! 花ちゃん~~あの馬鹿放っておいて続きしょうか」
和真を睨む花川の背中を摩って宥めてやると、怒った顔を緩めて上目遣いで俺に頷いた。
嗚呼~~! かっかわゆい!
目の前に癒しの花が飛ぶ。自然と笑顔になってしまう花川のこういう仕草。でも、いかんいかん! 花川に「可愛い」と言ってはいけない。俺まで足を踏まれ兼ねない。
でも……可愛いのは仕方がない!
「桃ちゃんもな! 親方でもいいから」
「……ほほん…とうに?」
桃瀬「親方」がそんなに気に入ってるんかい!
「Aucun probleme.(問題ないよ)」
桃瀬の顔が極僅かだか表情が緩んだ。俺は桃瀬と花川の背中を摩って宥めまくった。
「ほぉ~~この~~エロジジ!」
ぐっ!! 俺の癒しの邪魔を!!
俺の背後で邪悪なオーラを放つ和真が見えた。
「おまえ……まだいたのか?」
なんだか気不味い俺は、桃瀬と花川の背中から手を離した。
和真いるの忘れてつい……この二人の可愛いさに出来心というか……いや!なんでいい訳してんだ!俺っ!
「じゃっじゃ……桃ちゃんと花ちゃんこれ終わったら、明日の仕込み始めるから」
桃瀬と花川が頷き、再び作業を始めた。その場から立ち去ろうとした俺の背中に、鈍い衝撃を受けた。その背中に激痛が走り、俺は唸り声を上げた。
「痛ったっ! かっ和…真! 本…気で殴るこたぁないだろ!」
「フンっ! 岳のクソっ馬鹿!」
「くっクソ馬鹿とはなんだ!」
「はいはい、店長~~痴話喧嘩なら家でやって下さ~~い!」
「はぁ?! ちっ痴話喧嘩って おい! 岸! あっ! 和真! まだ話し終わってないぞ!」
俺を無視して和真は、売り場へ出る扉を開け出ていった。
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