決戦のバレンタイン

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俺は考え事をしながら、店の裏口へ向かう。その途中、何かを打つけられ降り返った。 「そうゆーことかよ……」 和…真…… 「俺のチョコは受け取れないのに! 女からのは受け取れるって事かよ!」 「和真! 違う! 聞けって!」 「……俺が受け取れられないならちゃんと言えよ! 迷惑だって拒否ってくれればいいのにどうして気を持たせるような隙を見せるんだ!」 言ったらダメだ…… 「迷惑…だってずっと言ってるじゃないか!」 和真の傷付いた顔が見れない。俺は……おまえの兄じゃダメなのか? 「……分かったよ……悪かったな迷惑掛けて」 和真は夜道を走って行った。あんな顔させるつもりじゃなかったのに…… 「……終わったな。おまえの兄貴にはなれなかったか」 投げ付けられた袋はヘコんでクシャクシャになっていた。中身は多分、和真が作ったチョコラだ。俺はクシャクシャになった紙袋を拾い上げ座った。濃紺の夜空に浮かぶ細い三日月を眺め、大きなため息を吐く。 「……これでいいんだ」 だって……俺にどうしろっていうんだ……
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