決戦のバレンタイン

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「お疲れ様でした!」 「お疲れ~~」 岸が店を出た後、俺は季節限定のケーキや焼き菓子の試作品を作っていた。 「ああ、もうこんな時間か……」 こうやってる時間がなにも考えなくていい…… 「ん……そろそろ帰るか」 店の裏口を出て施錠確認する。 「よし、寒っ……」 和真がいなくなってたった一日なのに長いけど早い……いつも突然いなくなってたそん時、俺どんな風だった? 心配はしてたけど…こんなだったか? 「あ~~さっぶ! 帰ろ」 それから二週間経っても和真は、店にも俺の家にも帰って来なかった。 一週間帰らないはよくあった。二週間以上は今までない。 ただでさえうちは、狭い1DKの部屋なのに男二人で住むってあり得ないだろうって……それに人を泊めるような布団もないって言ったら勝手にベッドで寝てるし、入ってくるし迷惑極まりなかった。 そう、和真がいなくなって一週間……頗る快適で安眠!ソファでグータラ! 超が付く程、充実したプライベートを送っていた。 なのに……未だ…… 「……今日、和真の好きなスープ和風スパ! あ……いないんだった。まっいっか」 と言って作り過ぎてしまうとか、家に帰って無意識にやつの姿探してたり……こんなに布団って冷たかったのかとか…… こんなに……この部屋、広かったか……? 俺はこんなに……こんなに? これって寂しいって事? 今まで感じなかったのに……
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