18人が本棚に入れています
本棚に追加
あ……忘れてた……
「そういえば和真って大学生だっけ?」
驚いた顔をした岸がフォークを落としそうになった。
「マジで言ってます?」
「ああ……マジだけど?」
「付き合ってるのに?」
「はぁ?!」
「え?!」
「だから……なんでそうなるだ! 根本的なとこ飛んでるじゃないか」
「そんなの気にしてるんですか?」
「気にするもなにもおかしいだろ……」
「関係ないですよ!」
「岸くん……?」
岸が大きなため息を吐いて持っていたフォークを俺に向かって突き出した。
「和真はそうじゃないです。どうしたら店長と一緒にいられるかってずっと考えてましたよ。……あれ、和真からちでしょう?」
「そうだけど……なんで?」
「食べてみて下さい」
「え~~」
「いいから食べてみて下さいって!」
「あ……分かった分かったから」
気迫負けした俺は、和真がくれた(正確には投げ付けられた)クシャクシャの紙袋からヘコんだ箱を取り出し開けた。
最初のコメントを投稿しよう!