決戦のバレンタイン

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今までのと全然……違う……それに…… 「一番始めに作ったチョコラは伯父さんに教えてもらいながら作ったって言ってた。それを美味しいって喜んでくれたんだって……もう一度、美味しいって喜んで欲しいって」 和真がそんな事…… ビターチョコのトリフとミルクチョコのトリフ。 確かに一番始めに貰ったチョコもそうトリフだったような…… トラウマの恐怖が蘇る……岸がじっとこちらを睨んてる。仕方なくビターチョコを摘んで口の中に放り込んだ。 あれ……この味? 「分かりましたか? その味がどこのか?」 「でも俺はなにも聞いてないぞ!」 「和真が口止めしてるからでしょう。俺にも黙っててっ言われてたんですけど……これじゃいつになるか分からない」 岸が携帯を取り出し、画面をタップすると耳に当てた。 「もしもし? 和真?」 俺からだと出ないくせに! 「ちょ…! 岸! 貸せよ! 貸せって!」 岸から携帯を奪おうとしたが躱され、どこにいるのか聞いていた。通話を切った岸が俺を見ると頷いた。 「和真はそこにいるって……聞きたい事があるなら直接聞けばいい」 「和真は俺に会いたくないんじゃないのか?」 「違う! その逆です! あ~~もう! つべこべ言わず早く!」 岸がドアを指差す。動かない俺の打てを掴み引っ張った。 「だからなんでって」 「気になってんでしょう? 和真の事」 そりゃ……そうだけど…… 「確かめてみたらいい。踏み出すか踏み出さないかそん時、考えたらいいじゃないですか!!」 「いや……」 「まだなんかあるんですか!」 「……なんでも…ないで…す」 自分の事のように必死な岸に根負けした俺は、和真がいるであろう場所へ向かう。 「……岸くん後、よろしく頼むよ」 「了~解しました」 夜道を早足で歩く後ろ姿を見ながら岸は、小さくため息を吐いて微笑んだ。 「和真、怒るかな……約束破ってごめん。でもこうでもしないとずっとこのままじゃんか」
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