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「第7地球監視部隊所属、チョコレート・ディス子!参りました!」
そこはとある宇宙船。
文明レベルの低い地球とまだ接触を持っておらず、その機会をうかがっている宇宙人達の偵察船。
「うむ、入れ。」
「サー!」
指令室の扉が開き、ディス子は姿勢を正して入室する。
奥には指令官とおぼしき初老の男性が、後ろ向きのまま立派な椅子に腰掛けていた。
彼の視線が向かう窓の先には、地球が青々と見えている。
「お呼びでございますか!大佐!サー!」
ディス子はさらに背筋を伸ばし、整った敬礼を大佐に向けた。
「うむ、お前を呼んだのは他でもない…」
大佐は椅子ごとくるりと向き直り、ディス子に面を向けた。
「地球はまだ文明が幼く、我らが接触するには足りぬ。よって脅威にもなり得ぬと認識しておったのじゃが…」
「サー!」
ディス子は相変わらず敬礼の姿勢を崩さない。が、大佐は話を続ける。
「昨今、地球人達も研鑽を重ね、高性能の兵器や人工衛星を使い、宇宙に進出してきておる。発展途上であるがゆえにその成長はめざましい。未だ我々の文明には遠く及ばぬが、監視を強めねばならぬだろう。」
「サー!」
「そこでじゃ、お前には地球に潜入し、地球人に扮して生活しながら、文明、文化、軍事など様々な事を調査、報告してもらいたい。」
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