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「さあさ、お姉さま。早速地球に参りましょう。現地に二人の愛の巣…いえ、立派な基地を用意してありますわ。」
「…ひっ!」
顔を赤らめながら「愛の巣」などと口走ったジュラルミンに、ディス子の顔が青ざめる。
「た…大佐殿!寛大なご人事を!こんなのと一緒では私の操が…いや、任務どころではありません!」
「しかしのう…他にあてもおらんし…」
先程までの大佐の威厳はどこへやら、肩を小さくして目を反らしている。
「では、私1人で行きます!」
「いや、お前、報告書、書けんじゃろう?ジュラルミンは事務や情報収集能力は一流なんじゃ。」
「う…ぐっ…」
ディス子は軍人としての訓練も受けており、その身体能力や規律において優秀だ。
しかし、事務や情報には壊滅的に弱く、彼女の報告書で何らかの意図が他者に伝わった試しがない。
「さあ、お姉さま。そうと決まったらさっそく準備に入りましょう!」
ディス子はジュラルミンに部屋の外まで引き摺られていった。
「うわ…大佐!大佐、助け…」
プシュー…バタン(扉が閉まる音)
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