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『─────あなたが私の前からいなくなってからもう数ヶ月が過ぎました。
あなたがいなくなってからというもの、私は毎日死んだように生きていました。
けど、あの時私に残した手紙を見つけた時、私はあなたと過ごした日々を改めて思い出しました。
あなたは私を桜のようだと例えたけれど、私にしてみればそれはあなたのような気がします。
春に出会い、春にいなくなってしまったあなた。
私に一時の幸せをくれた桜の精なんじゃないか、って、時々思います。
私はあなたに付いて来た事を後悔していません。
あなたと共に生きて、共に笑って、時には喧嘩もしたけれど、何よりも幸せな日々でした。
いつか、二人でお花見をした事を覚えていますか?
今となっては、遠い昔のように感じます。
私は、あの時どこかで分かっていたのかもしれません。
これから先、あなたと共にいられない事を。
こうしてあなたへの想いを綴る度、あなたの表情、声、仕草、思い出が鮮明に思い出されます。
もし、もう一度会えるなら、ただ私はあなたにありがとうと伝えたい。
幸せをくれて、生きてくれて、私という存在を愛してくれて、ありがとうと。
最後となりましたが、私がそちらに行った時は、また二人で桜を見ましょう。
それでは、また逢える日まで。
親愛なる私の夫、沖田総司さんへ』
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