返事

2/3
前へ
/6ページ
次へ
いつものようにいなくなったあなたの部屋の掃除をしている時、私はふとある物を見つけた。 それは手紙のようで、宛名は私。 どうして此処にあるんだろうと思いながらも開ける。 それは、あなたから私への最後の言葉だった。 あなたらしい言葉遣いで、少し悩んだ跡もあって、これが一生懸命書いたこと、そして………もう自分の最期を悟ってから書いたものだと分かった。 手紙を読んでいくうち、視界がぼやけて生暖かいものがぽたりと一滴落ちる。 涙なんて、いつ以来だろう。 あの時、離れてしまう事、あなたの温もりが消えていく事がただただ悲しくて辛かった。 けれど、温もりも、あなたも消えて等いなかった。 ちゃんと私の傍にいる。 私も、返事を書こう。 天国にいってしまった、あなたに。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加