私の受難

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「……もしかして大病なの?」  私は奏の腕を掴んだ。振り向いた奏の目を真っ直ぐに見る。  お祖母様が大病だから私を会わせたの? 嫁とした紹介したの?  視線が合ったのは一瞬だった。奏が視線を外したからだ。 「祖母ちゃんの冥土の土産に俺の妻を見せてやりたかったのだ」  奏の寂しげな声を初めて聞いた。
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