私の受難

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「老い先短いお祖母様のために私に妻のフリをして欲しかった……ってことだよね?」  奏は嫌な奴だが嘘はつかない。その奏が嘘をつくということは、それだけの緊急事態ということだ。  ククク……。気づけば、奏が肩を揺らして笑いをかみ殺していた。 「フリ……? 何のことだ?」  奏の顔にあの不敵な笑みが復活していた。 「だいたい祖母ちゃんが老い先短いって、失礼だな」
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