私の受難

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「俺の家系は代々男が早死にする傾向がある。そうなったら娘さんに橘家の財産入って来ますねって言っただけさ」  奏は口の端を上げて笑う。 「とくにお前の母親は、これも娘のためなのねって随分と喜んでたなぁ」 「ふざけんじゃないわよ!!」  両親への――特に母親への確かな殺意が芽生えていた。 「そんな結婚、無効よ無効。すぐに離婚してやる!!」 「いいのか? 戸籍に×が付くぞ?」 「うっっ!!」  声にならない悲鳴を上げた。
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